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マスク越しでしたが、僕らは確かに友達になれました。
たまたま。本当に偶然。列の前と後ろに並んだだけの関係でした。
地味にじりじりと進むあいだずっと一緒です。妙な緊張感の中、つかず離れずとはまさにこのこと。
ちらっとこちらに視線を向けた気もしましたがよそのお子さんですし、またコロナ渦でもあり、僕も見て見ぬふりをしていたのです。
一生に一度。せめて記念にモニュメントの写真を撮ろう。できることなら普段はカメラマン役のパパも一緒に家族みんなで映りたい。そういう悩ましさがあちこちから漂っていましたが、列が進むにすれそれは明るい笑顔に変わります。
列で隣り合わせた他人同士で、写真を撮り合いっこする流れが自然と生まれていました。
僕から声をかけました。
「よかったら撮りますよ。恥ずかしいのですが私一人なので、撮っていただけませんか」
素直に「一人だから撮っていただけませんか?」ってお願いできない自分に気づいたのは帰り道のことでした。交換条件なんてカッコ悪いですよね。
一人で並んでいるのが友達がいないか、いかにも独り身みたいで恥ずかしかったんです。
即席チームとなってお互い撮りっこすること5、6分。一生に一度だからとカメラマンばりに張り切って、位置を変えポーズも変えてもらって撮りました。
空気がゆるんだのは撮り終えた後です。
「あっくんも、バイバイ〜」
って。お父さんに抱っこされていたあっくんが、初めて僕に声をかけてくれたのです。
「あっくんは、きっともう一度観られるかな」
握手を求めてきたので思わず手が伸びましたが、そこは大人の僕からグータッチ。
握手できないことで、初めて新型コロナめ〜って思いました。
人生で最初で最後だろうからと足を運んだ夏の新国立競技場で素敵な出会いがありました。
元気にすくすく育ったあっくんが、次の東京オリンピックはぜひ会場で観られますように。
地味にじりじりと進むあいだずっと一緒です。妙な緊張感の中、つかず離れずとはまさにこのこと。
ちらっとこちらに視線を向けた気もしましたがよそのお子さんですし、またコロナ渦でもあり、僕も見て見ぬふりをしていたのです。
一生に一度。せめて記念にモニュメントの写真を撮ろう。できることなら普段はカメラマン役のパパも一緒に家族みんなで映りたい。そういう悩ましさがあちこちから漂っていましたが、列が進むにすれそれは明るい笑顔に変わります。
列で隣り合わせた他人同士で、写真を撮り合いっこする流れが自然と生まれていました。
僕から声をかけました。
「よかったら撮りますよ。恥ずかしいのですが私一人なので、撮っていただけませんか」
素直に「一人だから撮っていただけませんか?」ってお願いできない自分に気づいたのは帰り道のことでした。交換条件なんてカッコ悪いですよね。
一人で並んでいるのが友達がいないか、いかにも独り身みたいで恥ずかしかったんです。
即席チームとなってお互い撮りっこすること5、6分。一生に一度だからとカメラマンばりに張り切って、位置を変えポーズも変えてもらって撮りました。
空気がゆるんだのは撮り終えた後です。
「あっくんも、バイバイ〜」
って。お父さんに抱っこされていたあっくんが、初めて僕に声をかけてくれたのです。
「あっくんは、きっともう一度観られるかな」
握手を求めてきたので思わず手が伸びましたが、そこは大人の僕からグータッチ。
握手できないことで、初めて新型コロナめ〜って思いました。
人生で最初で最後だろうからと足を運んだ夏の新国立競技場で素敵な出会いがありました。
元気にすくすく育ったあっくんが、次の東京オリンピックはぜひ会場で観られますように。